最近話題になっている、メタボリックシンドロームの患者さんが、ずい分ふえてきているようです。
だいたい、男性は4人に1人、女性は8人に1人が、メタボリックシンドロームなのです。その患者さん達にみられるのが、食生活の乱れです。
お腹がいっぱいになれば栄養も足りているように思うかもしれませんが、そうではありません。足りているのは、脂肪分や糖分など、体脂肪に結びつく栄養だけで、体に必要ないくつかの栄養は不足してしまいます。
なかでも、鉄やカルシウム、カリウムなどのミネラル類が不足しがちになります。
すると、人間の体は、血管、骨、内臓、血液などあらゆる器官が不調になり、生活習慣病をはじめ、さまざまな病気になってしまうのです。
忙しい現代人に、健康のためだからといって、「外食はやめて」「加工食品を控えて」「3食バランスよく食べて」といっても、なかなか実行はむずかしいでしょう。
そこでおすすめしたいのが、「だし汁」なのです。
[だし汁」は、日本の食文化を支える、コンブやシイタケ、かつおなどの素材のうまみが入ったスープのことです。ただおいしいだけでなく、私達の健康な体に必要な微量成分やミネラルが豊富に含まれています。
☆かつおには、ヒスチジンというアミノ酸が含まれていて神経系に働きかけて、過食を抑え、内臓脂肪を減らす働きがあります。
☆コンブに含まれるグルタミン酸は、脂肪の蓄積を抑える働きがあります。フコイダンという、コンブのぬるぬるとした部分に含まれる成分には、抗ガン作用があります。
☆シイタケの固有成分のエリタデニンは、ホモシステインを減少させ、血液をきれいにする働きがあり、高血圧や高脂血症などの血管の病気の解消に役立ちます。また、シイタケには、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれており、骨粗しょう症の予防にも役立つといわれています。
シイタケの多糖類を加工したレンチナンという物資は、免疫を高める作用が認められ、ガンの治療現場で医薬品として使われているのです。
「だし汁」には、長所がもうひとつあります。
「だし汁」を使った鍋物やお吸い物などの多くは、薄味ですね。これが健康を考えるうえで重要なポイントなのです。
生活習慣病の多くは、食べ過ぎ・とり過ぎが原因です。素材の味を生かした「だし汁」料理は、自然に塩分・脂肪分・糖分のとり過ぎを抑えることができます。
まさに「だし汁」は、私達の健康にいいことずくめなのです。
医療現場でも、[だし汁」に似た水が大活躍しているのです。それは約0.9%の濃度の生理食塩水です。
人間の体液とほぼ同じ比重なので、傷口の洗浄や水分補給など、幅広く使われております。さらにビタミンやミネラルなどの栄養分を足して、点滴としても使われているのですが、その組織成分は「だし汁」にそっくりなのです。
「だし汁」は、まさに[飲む点滴」といってもよいでしょう。だからといって、「だし汁」だけをがぶがぶ飲むような健康法をおすすめするわけではありません。まずは、ふだんの食事に「だし汁」を使うようにしてみましょう。
「だし汁」の成分のなかには、熱で変質してしまうものがあるので、煮込みすぎないことがコツです。
スポーツのあとや発熱時などで、大量に水分とミネラルを消耗した時は、[だし汁」を使ったスープで補うとよいでしょう。
古代の医聖ヒポテラクスは、「人間は自然から離れるほど病気に近づく」といいました。
シイタケ、コンブ、かつお節といった自然の素材を使った「だし汁」を積極的に飲む、こんな健康法を実行してみましょう。