多くの方がうつ病で困っています。この病気の重要な点は、ものの見方が否定的になる事で、最悪の場合には自殺という事態を招く恐れがある事です。
気持ちがふさぐ、眠れない、寂しい...といった状態が長引く場合は、うつ病の可能性があります。早く見つけて早く治すために、まず基礎知識を知らなければなりません。
ストレス過多で疲れた時や人間関係がこじれた時、健康を害し病気にかかって思うように体が動けなくなった時など、気持ちが沈んで孤独感が強まる事は誰にでもあります。
うつ病は、いわばこうした「心のエネルギーが減った状態」が長引いて悪循環に陥り、健康な人ならすぐにもとに戻れるものを、そこから抜け出しにくくなった状態なのです。
うつ病は心の、そして脳が関係する病気ですが、脳がコントロールしている心と同時に体にも症状が現れるという特徴があります。
体の症状として代表的なのが睡眠障害で、うつ病患者さんの9割以上に見られています。
このほか、食欲がない、体がだるい、めまい、ふらつきといった、いわゆる自律神経失調症の症状も伴います。そのため体の病気を疑って内科を受診する人が意外と多いのです。
健康な時にもある”うつ”と”うつ病”の違いは、症状の強さとその持続期間が一つの目安になります。
うつ病になると、これまで普通にできていた仕事や家事がひどく負担に感じるようになります。
うつ病の症状は一般に午前中に強く出て、夕方以降には少し楽になる傾向があり、夕方から夜の少し元気そうな様子を見た周囲の人が、「なまけているのではないか」と誤解してしまう事があります。そのため、職場の同僚や家族との関係が悪化し、それがさらに本人を追いつめるという悪循環が起こってしまうのです。
うつ病による悪循環をできるだけおさえ、治療効果を上げるためには早期発見、早期治療を心がける事が大切なのです。
疑わしい症状が2週間以上続く場合は、とりあえず近くのかかりつけ医を受診してみるのも一つの方法です。
うつ病の回復と再発予防に向けた治療の経過には大きく分けて、急性期・回復期・再発予防の三つのステップがあります。
ステップ①急性期(薬の飲み始めから、うつ病の症状を改善するための治療期間)
うつ病は、治療を始めてすぐに改善を目指そうとすると、あせる気持ちから不安が強くなり、逆に回復が遅れてしまう事があります。急性期の治療で大切な事は「心の休息」と[薬の服用」です。
ステップ②回復期(元の生活へ戻していくための治療期間)
回復期に入った状態は、傷口にたとえるとまだ”かさぶた”の状態です。生活が軌道に乗るまでは薬が[傷口の絆創膏である」と考え、今まで通りに薬の服用を続けて下さい。症状が和らいで調子が良い時期も、周りと相談しながら少しペースを抑え気味にし、徐々に行動量を増やしていく必要があります。
ステップ③再発予防(うつ病の再発を予防するための治療期間)
うつ病はきちんと治療すれば改善するものの、その後、再発する可能性がある病気だといわれています。しかし、過度に再発を心配する必要はありません。ものの見方を調整する事で再発は予防できるのです。
患者さんには、身近に起きた問題を一人でかかえ込む事で調子が悪くなり、誰かのサポートを得る事で調子を維持できる事を実感してもらう事が大切です。他人には頼れなくても、ご家族になら頼ってみようという気持ちになれるために、ご家族には患者さんのものの見方を調整していく治療でも、重要な役割があります。
うつ病は誰にでもかかり得る現代病なのです。その心が少しデリケート過ぎたという人がかかりやすいものなのです。
世間体などにとらわれず、元の健康な心を取り戻せるように、ご家族の皆様お手伝いをお願い致します。